理事会|わたしたちは高浜原発1、2号機の延長許可を取り消し、廃炉にすることを求めます
2016年7月の定例理事会で、高浜原発1,2号機の延長許可を取り消し、廃炉にすることを求めることを決定しました。
原子力規制委員会委員長、内閣総理大臣 宛てに 提出しました。
2016年7月27日
原子力規制委員会委員長 田中俊一 様
内閣総理大臣 安倍晋三 様
生活クラブ生活協同組合 茨城
理事長 戸田桃子
高浜原発1、2 号機の延長認可を取り消し、廃炉にすることを求めます
私たち生活クラブ生協は、原発は常に放射能の危険と隣り合わせであるのではなく、さまざまな犠牲を強いるものであることから、原発に反対し原発のない社会をめざす活動に取り組んでいます。
原子力規制委員会は6月20日、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機に対し、20年延長して運転させる延長認可を決定しました。また運転延長のための工事計画において、耐震診断を実施して許可を得る手続きの一部を、締め切り期限だった7月7日以降に先送りすることを認めました。これは運転期間の終了に間に合わせるために急いで認可したとしか思えないことです。
未だ収束も解明もされていない福島第1原発事故の教訓を受け、2013年に原子炉等規制法の改正では「原発の運転期間は原則40年」と定められました。今回の延長認可の決定はその例外として、安全審査や延長認可審査で規制委が合格と認めたということですが、例外が安易に認められることによって、老朽化した原子力発電所の稼働延長がなし崩し的に認められるのではないかと危惧しています。新基準の審査で最大の焦点だった電気ケーブルの防火対策については、難燃性ケーブルに交換できないものは防火シートで覆うことが認められるという安直な防火対策は問題です。また地震活動が活発化している日本の現状を考えると、老朽化した原子炉が大地震に耐えられるのかという疑問もあります。
私たちが住む茨城県にも2018年に運転40年になる「東海第二原発」があります。現在は停止していますが、東日本大震災で受けた損傷がどれくらいかはっきりと分ってはいません。近隣市町村の多くの市民が震災で損傷し老朽化した東海第二原発の再稼働に不安を感じ、県や市の避難計画も非現実的だという声が多く出されています。しかし、そんな市民の声を無視して再稼働に向けて粛々と準備が進められています。
今回の高浜原発1、2 号機の延長認可は、茨城の東海第二原発の延長申請に勢いをつける可能性があるものとして、断固認めるわけにはいきません。私たちは原発事故の被害者にも加害者にも傍観者にもなりたくありません。このような無責任な例外による延長に強く反対します。
高浜原発1・2号機は、新規規制基準適合、工事計画と運転延長認可のいずれも取り消し、直ちに廃炉にすべきです。
以上