遺伝子組み換え生物の不適切な使用に対して抗議文を送付しました
つくば市にある、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所において、遺伝子組み換え生物の不適切な使用があったことが判明しました。生活クラブ茨城ではこれに対し、公開説明会を求める抗議文を研究所に対し送付しました。
経緯については、以下の通りです。
作物研究所の実験室において、平成19 年1 月から平成23 年5 月までの約4年間、一般的な遺伝子組換え手法により、塩基配列の解析を目的とした大豆生理特性関連遺伝子の大腸菌への導入と培養が行われました。 しかし、この間、
(1)実験室の入口付近の廊下にある培養器で遺伝子組換え大腸菌を培養した
(2)実験中に実験室の扉は閉じていなかった
(3)実験室には遺伝子組換え実験中である旨の表示がされていなかった
などの、適切な拡散防止措置が執られていなかったことが、8月研究所の内部調査で判明し文科省へ報告されました。説明では、実験期間中、廃棄物等の不活化処理は適切に行われており、培養器使用の際にも遺伝子組換え生物等の外部への拡散はないとのこと。
本実験は大腸菌に特定の遺伝子を組み込み、クローニングした後に遺伝子を解析して有効遺伝子を抽出するというもので、当該研究員の認識不足による法令違反とのことです。
今回の発覚は、5月の研究課題申請時に、遺伝子組換えに関する研究内容であるのに防止措置などの対策記入項目には「該当しない」となっており、確認のために内部調査をした結果、法令違反が確認されたということらしく、たまたま偶然見つかったという、ずさんな状況です。
また、拡散の危険はないという研究所独自の判断により、自治体(つくば市)への報告が、文科省への報告から2ヶ月も遅れた、という点も問題です。